1. 【最重要】AWS「Infinity」公開 — 8GBで75,000エージェントを保持する新ランタイム
公開:10月23日|新OSS・研究プレビュー
Amazon Web ServicesとUC Berkeleyの共同研究プロジェクト「Hydro」が、AIエージェント向けの新しい実行基盤「Infinity」を公開しました。
最大の特徴は、エージェントが外部ツールを呼び出した時点で会話履歴を保存し、実行プロセスを終了できることです。
ツールの処理結果が返ってきたら、保存した状態からエージェントを再開します。
Apache 2.0ライセンスで公開され、AWS Lambdaなどのサーバーレス環境でも動作します。
なぜ重要か
従来のAIエージェントでは、ツール実行中に待機処理が発生します。
例えば、Coding Agentが20分かかるビルドを開始した場合です。
一般的な同期型の実装では、処理の完了を待つためにワーカーや実行環境を保持します。
Infinityでは、待機中のエージェントを会話履歴として永続化し、計算資源を解放できます。
技術・実装ポイント
Infinityは、プログラミング言語の非同期処理で使われる「Stackless Coroutine」の考え方をAIエージェントに応用しています。
textユーザーからの依頼
↓
AIエージェント起動
↓
LLMがツール呼び出し
↓
会話履歴を保存
↓
ツールを非同期実行
↓
エージェントを停止
│
│ 待機中の計算資源を解放
│
↓
ツール結果をキューで受信
↓
会話履歴を復元
↓
エージェント再開AWSが公開した参考アーキテクチャは次の構成です。
| コンポーネント | 役割 |
|---|---|
| AWS Lambda | エージェントの短時間実行 |
| SQS FIFO | イベントとツール結果の配送 |
| Aurora DSQL | 会話履歴の永続化 |
| DynamoDB | 重複イベントの検出 |
| EventBridge Scheduler | 長時間の待機・再開 |
| Amazon Bedrock | LLM推論 |
性能: AWSの合成ベンチマークでは、80,000エージェント、320万回のモデル応答相当を処理し、アイドル状態のエージェント1件当たり約100KBのメモリ使用量を報告しています。
この結果から、8GBで約75,000エージェントを保持できると推定しています。
ただし、これは75,000件のLLM推論を同時実行できるという意味ではありません。
API・実装: Rust製フレームワークで、独自ツール、MCP、非同期イベント、子エージェントに対応します。
料金: Infinity自体は無料のOSSです。Lambda、SQS、Aurora DSQL、Bedrockなどには通常の利用料金が発生します。
利用条件: 現在は初期研究リリース。本番導入には障害復旧、イベントの真正性、セキュリティなどの検証が必要です。
公式情報:AWS技術解説 / Infinity公式ドキュメント / Lambda実装ガイド